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日本政策金融公庫の創業融資を攻略するための5つのポイント

起業するときに必要な資金を借りれれるか
借りられないかは非常に重要なことです。

日本政策金融公庫の融資を予定している方も
多いのではないでしょうか。

ここで問題なのは申請した全員が借りられる
わけではないということです。

創業融資の審査があるわけですが

なぜ落ちる方と受かる方がいるのでしょうか。

融資の審査基準が公表されていないので
正確なことはわかりません。

審査を通った方をみてみるとある一定の
傾向が見えてきます。

この記事では
【日本政策金融公庫】創業融資を攻略するための5つのポイント
についてまとめてみました。

目次

創業融資は初回の相談あるいは審査面談で5割以上は決まる

起業するときの融資については日本政策金融公庫と
自治体の制度融資を利用することが可能です。

多くの方は日本政策金融公庫を融資申請先に選んでいます。
初回の相談は直接日本政策金融公庫の支店を訪ねることになります。
相談担当者がそのまま審査面談の担当をすることもあります。

実は相談・面談は日本政策金融公庫の融資審査で重要なポイントになります。
でもほとんどの方はあまり準備をせずに臨んでいます。

もちろん提出書類の準備と簡単な質疑応答などの事前トレーニングはやるかもしれません。
本当はあなたが考える以上に第一印象は大切なのかもしれません。

そこでほぼ決まってもおかしくないのかもしれません。
民間の金融機関は基本的に常連さんを相手にします。
常日頃情報交換をしてコミュニケーションを
取り良く知っている相手の融資審査をします。

だから融資の可否についてお互いにある程度予想することが出来ます。
(難しい案件は先に断られます。)
それに対して日本政策金融金庫は一見のお客様が多くいます。
もちろん長期にわたって取引する常連さんもたくさんいます。

創業融資は一見客です。
はじめてくるお客様をその場で評価するのはとても難しいことです。
でも永年たくさんの審査を経験していると目利きができるように
なり審査の重要なポイントを理解できるノウハウが蓄積されていきます。

だから日本政策金融公庫の融資担当者は相談・面談・提出書類で
一見客の審査ができるのだと思います。
この点については民間金融機関は
創業融資の審査をできるノウハウをもっていません。

相談や面談でヒアリングして面談当日にはほぼ融資審査の
可否についてあたりをつけています。
不明確な要因や判断しずらい事項ついては面談後に
その根拠を確認したり上席のアドバイスをもらうことになります。

ではどんな対策をすればよいかというと事前準備をしっかりするということです。
中途半端な状態で相談するのではなく事業構想や創業計画をしっかり
作りこみ完成形で相談しましょう。

あたりまえのことを当たり前のようにやるだけです。

厳しいですがそもそもダメものはダメであってどんなに頑張っても
融資は受けられません。
公庫の審査担当者であれば初回1時間程度の面談で
融資の可否を判断できると思います。

おそらくほかの金融機関の担当者でもそうだと思います。

日本政策金融公庫の審査数はかなりの数をこなしている
融資審査担当者はより優秀だと思います。

確実に相談と初回面談で即日判定しているでしょう。

しっかり対策することをおすすめします。

公庫の創業融資は国の政策意向が重要になる

ここはあまり理解されていないので書きたいと思います。

日本政策金融公庫が政府系金融機関であることは知られています。
100%政府出資の政策金融機関です。
民間の金融機関と違うところは出資者が政府なので
自然と政府の意向が反映されているということです。

日本政策金融公庫の融資審査を受けるのであれば
まずは日本政策金融公庫がどのような方針で運営されて
いるか理解することが重要です。

その意向に沿った対応をするのが重要です。

ほとんどの方が理解していないと思うので
しっかり理解するようにしましょう。

では日本政策金融公庫はどのような方針で
運営されているか確認してみましょう。

以下日本政策金融公庫のホームページより
抜粋いたしました。

日本政策金融公庫の経営方針

基本理念

  • 政策金融の的確な実施
    国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに
    対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。
  • ガバナンスの重視
    高度なガバナンスを求め、透明性の高い効率的な事業運営に
    努めるとともに、国民に対する説明責任を果たす。
    さらに、継続的な自己改革に取組む自律的な組織を目指す。

経営方針

  1. お客さまサービスの向上
  2. セーフティネット機能の発揮
  3. 日本経済成長・発展への貢献
  4. 地域活性化への貢献
  5. 環境やエネルギーへの配慮、低コストで効率的な業務運営
  6. 働きがいのある職場づくり
  7. リスク管理態勢の整備、コンプライアンス意識の定着

業務の概要

数多くの小規模事業者への小口融資
  • 融資先数は88万先にのぼります。
  • 1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。
  • 融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。
セーフティネット機能を発揮
  • 経営環境などの変化により資金繰りに影響を受けた小規模事業者の皆さまを「セーフティネット貸付」で支援しています。
  • 地震、台風、豪雪等の災害時には、ご融資などを通じて被害を受けた小規模事業者の皆さまの復旧・復興を支援しています。
創業企業、事業再生などを支援
  • 創業企業(創業前及び創業後1年以内)への融資は年間28,392先となりました。これにより年間9万6千人の雇用が創出されたと考えられます。
  • 革新的な事業に取り組む皆さまを「資本性ローン」により支援しています。
  • 事業再生や事業承継を図る小規模事業者の皆さまを支援しています。
ソーシャルビジネス、海外展開を支援
  • 地域社会が抱える課題の解決に取り組むソーシャルビジネスの担い手の皆さまを支援しています。
  • 海外展開を図る小規模事業者の皆さまを支援しています。
商工会議所・商工会、生活衛生同業組合などと連携
  • 商工会議所・商工会、生活衛生同業組合などと密接に連携し、小規模事業者の皆さまの経営改善や生活衛生関係営業の皆さまの衛生水準の維持・向上を支援しています。
  • 税理士、公認会計士、中小企業診断士など、高い専門性を有する認定経営革新等支援機関と連携しています。
  • 地域経済の活性化等の観点から、地域金融機関と積極的に連携しています。
教育ローンによる支援
  • 「国の教育ローン」は年間約12万件ご利用いただいています。

経営方針は国の政策の下で民間金融機関の補完を旨としつつ
社会のニーズに対応して種々の手法により
政策金融を機動的に実施する。

となっています。

簡単に言うと国の政策に基づいて資金を貸します。
民間金融機関がお金を貸したがらない部分は
責任を持って貸しますよと言っています。

そして政府の方針は

アベノミクス<成長戦略2013>
の中小企業・小規模事業者の革新の
成果目標として開業率10%台を
目指すとしています。
(現状4.5%  2004~2009年平均値)

とにかくがんばって起業創業してください。

どんどん融資しますからというのが
政府の方針です。

現場としてはいきなり貸せ貸せと言われても今までの業務形式や
考えがあるから簡単に行動は変えられません。

だから上からは貸せと言われているけど現場は
従来通りの融資審査をしているので抑え気味と
いうのが実際のところです。

いきなり貸せと言われてもそんなに簡単に増やせる
ものではないですよね。

開業したい人が減っているのに融資審査を甘くしても
見せかけの開業率が増えるだけでデフォルト(債務不履行)
を増やします。

現場は正しい判断をしている気がします。

でも起業創業を支援して融資していこうという
大きな流れは理解してください。

積極的に融資していこうという政策方針があるのならば
後は借りる側の要件が備わっていれば融資して
もらえるということです。

創業融資は自己資金が重要になる

自己資金の不足で悩んでいる方も多いと思います。

この自己資金をどのくらい保有
しているかは審査にとても影響を与えます。

自己資本の要件は緩和されて
いますがこの部分は厳しくみられます。

実質的には創業時の総事業費の
3分の1は必要と考えるべきでしょう。

理想は2分の1以上です。

自己資金が不足するので何とかしてほしいという
相談が多くあります。基本は自己資金を自力で
準備することをおすすめします。

無理に創業するよりは準備できるまで創業を
見送った方が無難です。

自己資金の不足分をカバーするとなると
返済原資を確保するため収益性を高めなければ
なりません。

事業の収益性と安定性が担保される創業計画が
必要になりますがそのような計画書を作るのは
現実的ではありません。

また一時的に資金を借り自己資金に見せる
見せ金を準備する方がいますが本末転倒ですので
絶対にやめましょう。

自己資金が不足するということは
事業の失敗リスクが高まると
判断されますしそうなる可能性は
高まります。

融資審査を通過するには
しっかりと自己資金を準備
することです。

創業融資審査では業務経験・能力を見られる

創業融資の審査では経験能力を非常に重視します。

起業の成功は起業家本人の経験や能力によるところが大きくあります。

経験のある業種で創業する方はその経験とさらには事業に関連する
経歴があればしっかり伝えるようにしてください。

他業種で開業する場合は過去の経験と経歴で創業に関連する
内容のものを探して伝えましょう。

さらに未経験のギャツプをどのように
カバーするのか具体的に根拠のある
説明をしてください。

たとえばフランチャイズに加盟するとか
研修を受けるとか、同業者の店舗で
働いてノウハウを取得するとか
経験者をすでに社員として雇用している
など具体的な対策を明示するようにして下さい。

未経験で何の準備もせず創業する
ということであれば審査の評価は
かなり悪くなると言えます。

また能力の部分でみられているのが
お金の管理能力です。

ここは専門家に委託しているし難しいからと言ってスルーして
しまうのですが最低限の経理や財務の知識はインプットしてください。

金融機関との面談などでよく会計士や税理士の先生に
すべてまかせているとか経理の担当者に任せているので
詳しいことはわかりませんと堂々と言う経営者の方がいます。

何も細かい専門的なことを聞きたいのではありません。

あなたの事業の業績を最低限経営者の口から聞きたいだけです。

それすらできない経営者ってどうなんでしょうかと思ってしまいます。

創業融資審査には創業計画書(返済原資)が必要になる

この創業計画書はとても重要です。
創業融資審査での要になります。
書き方のポイントがわからないから
かもしれませんが安易に記入する
傾向がありますので注意してください。

細かいポイントはありますが
まずは数値の根拠を示してしっかり
説明できるようにしてください。

創業融資を将来の目線で見ると

しっかり返済できるのか?

返済原資を生む創業計画になっているのか?

すなわち返済できるのか?

ということを担当者は知りたいのです。

それに対して根拠のある説明ができる創業計画書に
なっていてそれをしっかり説明できれば問題はありません。

月次税引後利益+減価償却費>月次返済額

この数値が確保されていることが重要です。

創業計画書に記載されている数値に信憑性があるかです。

ポイントは予測売上高の根拠です。

業種の平均売上高をクリアしている
(もちろん利益率など他の指標も)
ことが重要です。

多くの方が見落としてしまうのが集客方法です。

売上を上げていくには集客方法が
確立されていないと難しいのですが
考えられていません。

希望的な数値を入れている方が
ほとんどで集客方法など頭にありません。

集客方法がわからないのに
どうやって売上を上げるのでしょうか。
売上を安定させるためにはしっかり集客方法を
構築しておきましょう。

まとめ

今回説明した5つのことに注意をして
創業融資を獲得してください。

日本政策金融公庫では毎日たくさんの融資審査を実施しており
短期間に効率的に審査がすすめられようノウハウが蓄積されています。

それだけに初回の相談や融資面談は
短い時間でさまざまな評価が実施されます。

事前準備をしっかりしましょう。

日本政策金融公庫は政策の意向を反映して
創業融資に積極的です。

自己資金や経験能力創業計画書などがしっかり
基準を満たしていれば比較的融資を受けやすい
制度になっています。

今回お伝えしたポイントをしっかり押さえて
創業融資を上手く活用してください。

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この記事を書いた人

会計事務所・事業会社の経営企画役員の経験し、起業コンサルタントに至る。現在レグルス経営研究所代表。
独立起業者向けの創業計画書作成が得意です。

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